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『松井久子の生きる力』を読んで
shioriです。
遅ればせながら、松井久子監督の新著『松井久子の生きる力』(六耀社)を読了しました。六耀社という出版社の40周年記念出版だそうで、シリーズ「ソリストの思考術」刊行スタートの第3巻。

いわゆる生き方本のせいか、「いまを生き抜くヒント」なんて大きく帯に入ってたりして、ああ、スタイリッシュな監督はこういうのお嫌いだろうなあ・・・なんて、ちょっと笑っちゃったりして。

付箋を貼ると本が自然に開いてしまいます…


でも、表紙を開くと、折り返しに

<「ソリスト」とは――
 時流や流行にとらわれず、
 自分の信じる道を進み、
 一つのスタイルを築き上げた人。
 信念ある行動でまわりの人を巻き込み、
 一つの大きなムーブメントを
 つくり出した人。>

と記されていて、おお〜、これはまさに監督のこと! と
妙に納得してしまいます。


その時、社会に必要なことを作品で表現する使命感

本書の主な内容は、監督の生まれ育ちから語られる人生全般と映画作りと、それらから抽出される生きる極意の数々。

お母様が、きつかったお姑さんの介護を文句一つ言わずに7年間続けて看取り、最後に、お祖母ちゃんが「ありがとう」って言ってくれて嬉しかったと語るシーン、彼女が同じく3年間介護して看取った夫の出棺時、「ありがとうございました」と深々と頭を下げるシーンには、感じ入るものがありました。

監督が、ずっと優等生でリーダーシップを執っていたらしいのは当然として、それがご自分の望みや好みというよりは、今、求められているから・・・という志向で行動しているのが監督らしいというか、映画制作にも反映されているのだなあとつくづく実感。
ご自身いわく「社会の子」とおっしゃっているように。

それが、ご自身を「超リアリスト」とも評されているのですが、“お嫁さんになりたい”と夢見る願望もあったりして、読み手としてはちょっと混乱してしまいます。そのあたりは、読み進むうち次第に解き明かされていくのですけれど。


ワタシハアナタノイヌデハナイ!

実は、年末に監督インタビューをさせていただいた時に、本書のことを伺い、今まで話したことのなかった離婚についても書いている、とおっしゃっていらしたのと、既に読んだ方々から、よくここまで赤裸々に書けた・・・というような感想も耳に届いていたので、気になっていたことがありました。

私が勝手に妄想していたのは、映画『レオニー』の中に、「私はあなたの犬ではない!」というレオニーの台詞があり、マイレオニーメンバーの間でも、あの台詞は衝撃的だと話題になっていたのですが、あれは、監督の実感のこもった言葉なのかもしれない、その言葉が出てきたりするのだろうか・・・とドキドキしていたのです。

それが、書ける立場にいる自分が一方的に書くことはフェアでない、という監督ならではの孤高で品格あるスタンスを貫きながらも、語られる事実は、きっとこれがすべてではないのだろうとは思いつつも、人間の深淵に迫り、結婚や恋愛を考える女子には必読・・・と思えました。

私が思わず落涙してしまったのは、やはり息子さんとのこと。
保育園に預けて仕事をする監督が、「家に帰れば、抱いた子をベッドに置くことさえ惜しかった」と述懐するのです。せつない!

息子さんは、5歳の時に「おかあさん、もういっかい、我慢してみる気ない? 我慢できたら、自信がつくとおもうけど」という名言も残しています。


世界に誇るべき日本人のパイオニア

あまり抜き書きしてネタバレになってはいけません。
マイレオニーの存在が、監督に大きな影響を与えていることも随所に登場し、ありがたいような面映い気持ちにもさせられます。

サクッと読みやすいので、まだお読みになってない方にはぜひお勧めします。アマゾンで購入して、感想をどんどんレビューに書きましょう!まだまだ私たちにできることがたくさんあります。

それに、日米合作映画制作を会社や組織とは無縁に、千里の道も一歩から・・・で、まさに一からスタートさせた監督のスタイルは、大学や教育機関などでも語られるべきだと思いました。

実際の映画製作が、様々な項目として履修科目になってほしいところですが、映画学科、芸術学科のある学校のみならず、様々な学科で学べることが非常に多いと思うのです。

もちろん監督のトークやレクチャーは、これまでも常に大変な人気と熱気でしたが、昨年の大震災以降、元気を失っている人たち、そして就職氷河期にあえぐ若者たちにも、既存の考えに従ってあきらめてしまわないチャレンジ精神を奮い起こさせてくれるのではないでしょうか?

松井監督は、私たちが誇るべき、世界に通用する日本人のパイオニアの一人なのですから!

そんなことも感じて、私自身、もう少し勇気を出してみよう・・・と思えたのでした。

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