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アナウンスハウスと15年を振り返る〜ニュースと朗読にのせて〜 レポート

すでにブログでご紹介しましたとおり
マイレオニーが事務局を置いている「アナウンスハウス」が
設立15周年を記念して、2月20日に、初の朗読会を行いました。

私wakkiをはじめ、マイレオニーのメンバーも駆けつけました。
そして今回、レポートを書いてくださったのは、
なんと、松井監督です!

マイレオニーの副代表をつとめ、アナウンスハウスの代表(社長)でもある
谷岡理香さんとの出会いのエピソードにもさかのぼる、熱いレポートをどうぞ。

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昼間はTシャツ一枚でも過ごせた温かなロサンゼルスと違って
東京は何て寒いんでしょう…と思っていたら、案の定、風邪を引いてしまって
身体の中に熱がこもっている感じの土曜日。日頃お世話になっている
マイレオニー副会長・谷岡理香さんの会社アナウンスハウス15周年記念の
朗読会に行ってきました。

会場は2008年の3月に「レオニーへの想いをのせて」と題してギタリストの
佐藤紀雄さんとトークとギターの夕べを行なった銀座のギャラリー悠玄
フラメンコのタブラオを思わせる白壁のお部屋に入った途端に、2年前の
あの日のことが懐かしく思い出されました。

マイレオニーのイベントの時は、いつもその直前にちょっと不幸なアクシデントが起って、
「レオニー」製作はやはりできないのではないか…と、不安でいっぱいになりながら
毎回その不安から逃れるようにして、お客様の前で自分の映画製作への思いを語ったものですが、「レオニー」がほぼ完成した今、あのときの心もとなさが一度によみがえって、ついついジンときてしまったのでした。

???
朗読会の報告のはずが、自分のことばかり書いてどうする…!

この日の朗読会のプログラムは、最初に若い二人の女性アナウンサー原田佳子さんと畠山小巻さんによる与謝野晶子の「君しにたまふことなかれ」の朗読から、舞台上も客席も始まったのですが、やはり最初に思ったのは、やっぱり声が美しく鍛えられているなぁ…ということ。お二人のはっきりとした口跡に、アナウンサーならではのプロの訓練のあとを感じました。

続いて、この日の出演者の黒一点、プロのアナウンサーではないものの、アナウンスハウスの勉強会で朗読や表現の勉強をしているという菅野秀之さんの朗読「グレーシャーの子やぎ」。朗読の題材と内容にふさわしく、菅野さんの優しい人柄がにじみ出るような、そしてとても初々しい朗読でした。

そして、お次の出しもの(?)は、「アナウンスハウスと15年を振り返る〜ニュースと朗読にのせて〜」。

谷岡さんがアナウンスハウスを設立したのは、バブルがはじけたばかりの1994年でしたが
その年から2009年まで、15年間に国内外で起きたニュースを縦糸に、6人のアナウンサーが思い出すご自身の人生の軌跡を横糸に、軽快なタッチで構成された朗読劇は、なかなかオリジナリティに溢れた楽しい企画でした。

聞きながら、何が面白かったのかというと、その年々のニュースを耳にして振り返っていると、その時の自分が何をしていたのか…をとても克明に思い出すことができるのです。
ニュースの15年と舞台上の朗読者たちの15年と、その上に自分自身の15年までが重なった
三重構造のタイムトラベル…はじめて経験する、とても不思議な、そして興味深い体験でした。

それからもうひとつ面白かったのは、ニュースを伝えるアナウンサーや放送記者は、その人がひとつのニュースを「どう見ているのか?」の視点を求められる職業なのではないか…と改めて気づいたことです。
もちろん実際の放送の仕事では、番組のメイン・キャスターやアンカーと呼ばれる人たちにしかそんなことは許されず、特に女性アナウンサーにジャーナリストである彼女の「個の視点」を求められることなど滅多にないのでしょうが、この日の朗読会ではアナウンスハウスの彼女達の「社会を見る目」がくっきりと(けど少しも押しつけがましくなく)浮き彫りにされて、これは放送ではなかなかできない素敵な試みだな〜と感心したのです。

アナウンスハウスの設立の年はまだ大学生だった5人が、15年の間に仕事の場だけでなく、結婚や離婚や、人生のいくつものターニングポイントを経てこのように報道の第一線で活躍されているんだ…と思うと、人生の先輩としてとても頼もしい気持ちにもなりました。

その朗読劇に挿入された竹田のり子さん朗読の「クラウディアのいのり」というノンフィクション・ラブストーリー。そのストーリーを全く知らなかった私は、逆にぐいぐい引き込まれて、最後には不覚にも涙なくしては聞けなかったほど感動的なものでした。

そして1時間半の朗読会の最後の出し物は、その日のメインイベント、私が若い頃に何度も劇場で観たなつかしい「夕鶴」。木下順二の脚本を朗読劇で…という試みは他のいろいろな朗読会でもやられているのでしょうが、読み手がアナウンサーという職業の人々だっただけに、ひと味違ったものになっていたと思います。

何がひと味違っていたのかというと、アナウンサーと俳優とはどちらも「声」を使って何かを伝える仕事ではあっても、「ニュース=ドキュメンタリー」と「劇=フィクション」とは相当に違うものだということを改めて認識させられた…ということでしょうか。アナウンサーはどこまでも「素の自分」をさらしてする仕事ですが、俳優は「役になって演じる」のが仕事。今回の「夕鶴」でアナウンスハウスの皆さんは、少しだけ越境し、自分たちの仕事とは別分野の俳優の仕事に挑戦されたわけで、朗読劇としての完成度はともかく、彼女たちの勇気ある挑戦には、ひとまず拍手を送りたいなと思いました。
つう役の谷岡さんはキャリアが長かった分、よりアナウンサー的で、よひょう役を演じられた若い室由美子さんはかなり役者的感性をお持ちの方。そういう個性の混在の仕方がまた楽しかったです!

今回の出演者の一人だった畠山小巻さんはかつて秋田のNHKのアナウンサーとして活躍され、今はある大学の学長秘書をなさっている方。
その畠山さんが、2007年にサントリーホールで私たちが行なったマイレオニーのキックオフ・トークショーに観客として聞きにこられ、その日司会をしてくださった谷岡理香さんの「言葉の力」に魅了されて、以来谷岡さんのアナウンススクールを受講しながらアナウンスハウスのメンバーになったというのですから、人のご縁というのはほんとうに不思議だと思います。

一本の映画を作りたいと思った私が、女性放送者懇談会の勉強会に行って谷岡さんと出会い、その出会いのお蔭でマイレオニーができて、マイレオニーがイベントを開いたために観客のお一人だった畠山さんがもう一度「声の表現」をご自分のもうひとつのライフワークとされることになった…そんな人と人との「出会いの連鎖」。それは決してお金で買えるものでなく、人生を前向きに心開いて生きてなければ得られるものでなく…朗読会の帰り道の私はすっかり風邪も癒えて、先刻までの皆さんの顔を思い浮かべながら笑みを浮かべている自分に気づくのでした。

ガンバレ、アナウンスハウス!頑張れ、谷岡理香!

                                                               松井 久子




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Comment
2010/02/24 9:57 PM posted by: tomoko
アナウンスハウス15周年おめでとうございます。
谷岡さんの「つう」を拝見(聴?)したかったです。
それにしても松井監督のレポートとは、なんとゴージャスな(^^)
谷岡さんと松井監督の出会いからマイレオニーが生まれたのですね。
私もマイレオニーを通して、多くの出会いと経験をさせていただきました。
ありがとうございます!!!

アナウンスハウスさん、これからも踏ん張ってくださいね!!!!!
2010/02/23 7:24 PM posted by: YOKAWA
聴かせていただきました。
私も、15年を振り返る〜を楽しく、自分の15年をフラッシュバックしながら、胸が熱くなりました。
楽しいひと時をありがとうございました。
2010/02/22 1:59 AM posted by: shiori
アナウンスハウス設立15周年おめでとうございます。
義母の介護で参加できず残念。
でも監督のレポートを拝読できて感動!
サントリーホールのイベントから「出会いの連鎖」が続いていることにさらに感動!!
言葉の力を信じたいです♪
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